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LoRaWAN通信モジュール用ブレイクアウト基板の作成

2021/5/29

CMWX1ZZABZ-078はLoRaWAN通信が可能な920MHz帯長距離無線モジュールです。安価なうえに内蔵MCUのプログラミングが可能で、アプリケーションの小型化が可能です。モジュールは背面パッドのため使い勝手が悪いので、ブレイクアウトボードを作成しました。

B0048B_01b.jpg



 
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回路図


B0038B_SCH.PNG



 
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外形寸法図


B0038B_SUNPO_R.png
プリント基板板厚 1.6mm、材質 FR-4

WSB000925.jpg  WSB000926.jpg



 
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部品構成

  • 自作基板

    ReferenceValuePART
    C11チップ積層セラミックコンデンサー 100pF C0G 1005GCM1555C1H101FA16D (同等品可)
    C3チップ積層セラミックコンデンサー 10μF35V X5R 1608GRM188R6YA106MA73 (同等品可)
    C1 C2 C4 C6 C12 C16積層セラミックコンデンサ1uF 25V 1608サイズGRM188R71E105KA12 (同等品可)
    C5 C9 C14積層セラミックコンデンサ0.1uF 50V 1608サイズC1608JB1H104K (同等品可)
    D1ショットキーバリアダイオード 60V 1A SOD-123PMEG6010CEGWJ
    D2表面実装用ショットキーバリアダイオード 40V2ASS2040FL (同等品可)
    D4緑色チップLED 1608サイズOSTG1608C1A (同等品可)
    D5青色チップLED 1608サイズOSBL1608C1A (同等品可)
    D6赤色チップLED 1608サイズOSHR1608C1A (同等品可)
    L1フェライトビーズ 1kΩ 1005サイズBLM15HG102SN1D
    Q1PchチップMOSFET 20V 4ADMG3415U (同等品可)
    R3 R210KΩ チップ抵抗 1608サイズRC0603J10K (同等品可)
    R4角形ジャンパーチップ抵抗器 0Ω 1005サイズRK73Z1ETTP (同等品可)
    R7 R8 R91KΩ チップ抵抗 1608サイズRC0603J1K (同等品可)
    S1表面実装用タクトスイッチSKRPACE010
    U1LoRaWAN 無線モジュールCMWX1ZZABZ-091 あるいは CMWX1ZZABZ-078
    U2電圧レギュレータ 3.3V 150mAAP7354-33W5-7
    PCB自作基板 B0038BB0038B
    ●ピンヘッダーは必要に応じて取り付け
    CN1ピンヘッダー 2.54mmピッチPH-1x40SG (同等品可)
    CN2ピンヘッダー 2.54mmピッチPH-1x40SG (同等品可)
    CN3ピンヘッダー 2.54mmピッチPH-1x40SG (同等品可)
    ●2ピンのバッテリー端子を使用する場合
    CN4PHコネクタ ベース付ポスト トップ型/サイド型 2PB2B-PH-K-S(LF)(SN) あるいは S2B-PH-K-S(LF)(SN)
    ●SMAアンテナ端子を基板に直付けする場合
    CN8SMAコネクタ SMA-J 基板用エッジマウントS-063-49-TGG
    ●U.FLコネクタ接続の外部アンテナを使う場合
    CN6U.FLコネクタ U.FL-R-SMT-1U.FL-R-SMT-1 (同等品可)
    ●USBペリフェラルを使う場合
    C8積層セラミックコンデンサ0.1uF 50V 1608サイズC1608JB1H104K (同等品可)
    CN5USB - マイクロUSB B USB 2.0 レセプタクル コネクタ10118194-0001LF
    D317V クランプ 5A(8/20µs)TVS-ダイオードUSBLC6-2SC6
    R1100KΩ チップ抵抗 1608サイズRC0603J100K (同等品可)
    R1010KΩ チップ抵抗 1608サイズRC0603J10K (同等品可)
    ●EUI-64 MACアドレスを使用する場合
    C7積層セラミックコンデンサ0.1uF 50V 1608サイズC1608JB1H104K (同等品可)
    R5 R63.3KΩ チップ抵抗 1608サイズRC0603J3K3 (同等品可)
    U3EUI-64アドレスつき EEPROM 2KB24AA02E64T-I_OT

    WSB000928.PNG

 
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特徴・機能

  • CMWX1ZZABZ-078,CMWX1ZZABZ-091 の無線モジュールが手はんだ付けで実装可能
  • CMWX1ZZABZモジュール内蔵MCUに関連するすべての信号ピンにアクセス可能(CN1,CN2,CN3にピンヘッダ/ソケットを実装)
  • 25 x 50 mm のコンパクトサイズに便利機能を集積
  • 3つのユーザLEDを利用可能 アクティブH
  • ST-LINK V2 を接続できるSWD-IF端子を用意 (CN2の1~6ピン)
  • USBシリアル変換器や外部マイコンのUART信号をCN1の14~17ピンに接続してPCから無線通信をコマンド制御可能
  • VBUS電源とバッテリー電源の自動切り替え回路を利用可能*1
  • 基板にSMAコネクタを装着可能 (CN8)*2
  • オプションで、U.FLアンテナ端子を実装可能 (CN6) *3
  • オプションでUSBインターフェースを実装し、MCUのUSBペリフェラルを利用可能 (CN5,R1,D3,C8)*4*5
  • オプションでI2Cペリフェラル用のプルアップ抵抗を実装可能(R5,R6)
  • オプションでEUI-64準拠のノードアドレスROMを実装可能 (U3,C7) *6
  • 使用するアンテナはモジュール製造元の指定アンテナ*7、及び指定条件を満たすアンテナ *8
  • 使用するファームウェアはSTMicroelectronics社提供の I-CUBE-LRWAN(日本対応版) *9
  • 開発環境は Keil MDK-ARM (MDK for STM32F0, STM32G0, and STM32L0) で動作確認済み*10

 
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組立方法

  1. 最初にU1のCMWX1ZZABZを取り付けます。予め、CMWX1ZZABZの背面パッドとB0038Bのはんだ付けパッドの両方に、フラックスを塗布します。位置決めは、四隅の四角形のフィディシャルマークの頂点とCMWX1ZZABZの外形の頂点が4箇所で点接触するように調整します。はんだ付けはまず外に出ているパッドを十分コテ先で温めてから、ハンダを溶かし入れる要領ではんだ付けします。予熱が十分でないと背面パッドまでハンダが流れませんので難易度は高いです。最初に熱の逃げやすいGND端子を一つはんだ付けしてつき具合を確認し、問題なければ同じ要領で残りの端子をはんだ付けします。

    B0038B_3D_5.PNG

  2. その他の部品をはんだ付けします。
 
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補足説明

  • 標準の回路ではTCXOの電源(VDDR_TCXO)端子をPH1 に接続していますので、I-CUBE-LRWAN(日本対応版) のサンプルプログラムをそのまま使用すると正常に動作しません。ソースコードを変更しない場合は、J5 のジャンパーをパターンカットし、J6のジャンパーをハンダでショートします。ただしこの場合、MCUのUSBペリフェラルが使用できなくなります。また、USB端子からの電源供給もできなくなります。 USBペリフェラルを使用したい場合は上記のジャンパー変更を行わず、下記の通りサンプルプログラムのソースコードを書き換えます。
    • mlm32l0xx_hw_conf.h (AT_Slave: line 108-109、 End_Node: line 115-116)
      //#define RADIO_TCXO_VCC_PORT                       GPIOA
      //#define RADIO_TCXO_VCC_PIN                        GPIO_PIN_12
      #define RADIO_TCXO_VCC_PORT                       GPIOH
      #define RADIO_TCXO_VCC_PIN                        GPIO_PIN_1
  • CMWX1ZZABZ-078を使用する場合は、「プロジェクト」-「ターゲットの設定」よりサンプルプロジェクトのターゲットデバイスを変更します。(STM32L082CZYx) CMWX1ZZABZ-091を使用する場合は、変更の必要はありません。(STM32L072CZYx)



    WSB000930.jpg




*1 バッテリーを接続したまま、USBコネクタ(あるいはVBUS端子)へ5V供給が可能です。
*2 アンテナ直付け可能です。
*3 U.FL端子を利用する場合、C11のコンデンサを取り外しC10のランドへ取り付けます。
*4 VBUS検出を行う場合は、R10端子に10KΩを実装します。
*5 USBインターフェースを利用しない場合は、J2,J3をハンダジャンパーしてPA11,PA12端子を利用可能です。
*6 このアドレスはLoRaWANを使用する場合はサーバー側からデバイスEUIが発行されますので不要です。LoRaWANを利用せずにプライベートネットワークを構築する際に、デバイスEUIとして使用します。
*7 ANT-SS900ANT-916-CW-HWR-SMA
*8 アンテナまでの接続に使用する同軸ケーブルは自由に選定可能という見解です。
*9 日本の電波法に準拠しているのはAT_SlaveサンプルとEnd_Nodeサンプルのみです。LoRaWANプロトコル部分のコードを改変しない限り、ユーザによるソフトウェア改変は認められるという見解です。
*10 開発環境のシリアル番号は同ページに記載のものを使用します。

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