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The Things Stack V3へのABP認証のアプリケーションのマイグレーション方法

2021/6/26

LPS8-JP_m.PNG

既に取得しているThe Things Network V2 (通称 TTN V2) のアカウントを用いて、登録済みのABP認証のアプリケーションを The Things Stack V3 (通称 TTS V3)*1 へ移行させてみます。ゲートウェイはDragino LPS8-JP、エンドデバイスはES920LRA1 を用いました。

 
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準備

  • The Things Stack Community Edition へログインし、コンソール画面を表示させます。

    WSB000983.PNG

  • The Things Network Cluster Picker 画面が表示されるので、自分の参加しているクラスタを選択します。ここでは、Australia 1 を選択することにします。

    WSB000985.PNG

  • The Things Stack Community Edition のコンソール画面が表示されます。

    WSB000991.PNG



 
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アプリケーションとデバイスのマイグレーション (ABP認証)

 
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TTS V3コンソールによる設定

  • The Things Stack Community Edition へログインしTTS V3コンソール画面を表示します。上段のメニューより「Application」を選択します。あるいは、「Go to applications」のアイコンをクリックします。

    WSB001019.PNG

  • アプリケーション画面の右上の「+ Add application」ボタンを押します。

    WSB001050.PNG

    Add application 画面が表示されます。

    WSB001052.PNG

  • つづいて、ウェブブラウザの別の画面で TTN V2 コンソールにアクセスし、移行元のアプリケーション画面を表示させます。

    WSB001051.PNG

  • 以下の内容をTTN V2 のコンソールから TTS V3のアプリケーションへコピーします。
    • Owner : チームメンバーなどの登録もできますが、今回はデフォルト値のまま変更しません。
    • Application ID : 任意の値を設定できますが、今回はわかりやすいようにTTN V2の 「アプリケーションID」の内容をコピーします。(アンダーバーが使えないので、ハイフンに変更してあります)
      kio-denshi-app11
    • Application name : 任意の値を設定できますが、今回はわかりやすいように TTN V2の 「記述」の内容をコピーします。
      ES920LR(ABP)
    • Description : 任意の値を設定できますが、今回は何も入力しません。

      最後に、「Create application」ボタンを押してアプリケーションを作成します。

      WSB001053.PNG

      すると、作成したアプリケーションのOverview 画面が表示されます。左側のメニューより「End devices」を選択しデバイスを登録していきます。

      WSB001054.PNG

  • End Devices 画面が表示されますので、右側の「Add end device」をクリックします。

    WSB001055.PNG

  • Register end device 画面が表示されます。デフォルトでは From The LoRaWAN Device Repository が有効になっていますが、今回登録するデバイス(ES920LR)は登録されていないようなので、その右の「Manually」をクリックします。

    WSB001056.PNG

  • 次に、TTN V2 コンソールで移行元デバイスの設定画面を表示します。

    WSB001057m.PNG

  • 下記の項目を TTN V2コンソールの移行元デバイスから、TTS V3コンソールの移行先デバイスへコピペ設定します。Network Server address 、 Application Server address 、および Join Server address は自動的に入力されるので変更の必要はありません。
    • Activation mode : 移行元のアプリケーションに合わせます。今回は ABPとします。
      ABP
    • LoRaWAN version : 移行するデバイスのLoRaWAN バージョンを設定します。手持ちのES920LRは 1.0.2でしたので、MAC V1.0.2 を選択します。*2
      MAC V1.0.2

      WSB001058.PNG

      入力し終えたら、「Start」ボタンを押して次へ進めます。

  • Register end device 画面が表示されますので、下記の項目を TTN V2コンソールの移行元デバイスから、TTS V3コンソールの移行先デバイスへコピペ設定します。
    • End device ID : 任意の値を設定できますが、今回はわかりやすいように TTN V2の 「デバイスID」の内容をコピーします。
      es920lr0ab3
    • DevEUI : オプションなので設定の必要はありませんが、念の為TTN V2の 「デバイスEUI」の内容をコピーします。
      00B7E9B5550E7EDA
    • End device name : 任意の値を設定できますが、今回はわかりやすいように TTN V2の 「記述」の内容をコピーします。
      ES920LR(ABP)

      WSB001059.PNG

      設定し終えたら、画面下の「Network layer settings」ボタンを押して次へ進めます。

  • Register end device 画面が次の画面へ切り替わりますので、下記の項目を設定します。
    • Frequency plan : ゲートウェイと同様に、キャリアセンスを行う、 Asia 920-923 MHz with LBT を選択します。
      Asia 920-923 MHz with LBT
    • Regional Parameters version : PHY V1.0.2 REV B を選定します。
      PHY V1.0.2 REV B
    • LoRaWAN class capabilities にはチェックを入れません。
    • Device address には TTN V2 の 「デバイスアドレス」の内容をコピーします。
      26041008
    • NwkSKey には TTN V2 の 「ネットワークセッションキー」の内容をコピーします。
      10F1046DE0BE075230D5BBA0A9BE3DF2

      WSB001060.PNG

      つづいて「Advanced settings」をクリックし、詳細設定を行います。

    • Flame counter width を 32bit にチェックします。
      32bit
    • RX1 Delay に「1」を入力します。
      1
    • RX1 Data Rate Offset に「0」を入力します。
      0
    • Resets Frame Counters の Enabled にチェックを入れます。
      Enabled
    • RX2 Data Rate Index に 「2」を入力します。
      2
    • RX2 Frequency に「923200000」を入力します。
      923200000
    • Factory Preset Frequencies については、メーカーのデータがないので Frequency Plan の1~8 chを、「Add frequency」ボタンを押して入力します。
      923200000
      923400000
      922200000
      922400000
      922600000
      922800000
      923000000
      922000000

      WSB001062.PNG
      WSB001063.PNG

      設定し終えたら、画面下の「Application layer settings」ボタンを押して次へ進めます。

  • Register end device 画面が次の画面へ切り替わりますので、下記の項目を TTN V2コンソールの移行元デバイスから、TTS V3コンソールの移行先デバイスへコピペ設定します。
    • AppSKey : TTN V2の 「Appセッションキー」の内容をコピーします。
      5E8CA4A2CE096B768482********C3A1

      WSB001064m.PNG

      設定し終えたら、画面下の「Add end device」ボタンを押してエンドデバイスの移行を完了させます。

  • アプリケーションの End devices 画面にいま登録したエンドデバイスがリストアップされていることを確認します。

    WSB001065.PNG



 
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TTN V2コンソールによる設定

  • 最後に、TTN V2へつながっているデバイスを切り離します。ABPデバイスの場合は、The Things Network V2からデバイスを削除する必要があります。TTN V2コンソールのデバイス画面の下側の「デバイスを削除」 をクリックします。

    WSB001066m.PNG

    WSB001068.PNG

 
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エンドデバイスの再起動

  • 以上の設定のあと、エンドデバイスのリセットボタンを押して再起動すると、TTS V3のアプリケーションに登録したエンドデバイスにデータがリンクされます。ES920LRの場合は、以下のようになりました。

    WSCD000001.PNG

    "aaa"というメッセージがアップリンクされていることがアプリケーションのコンソール画面からわかります。その後、TTS V3コンソールより0x31(文字"1")をダウンリンク予約し、ES920LRから"bbb"というメッセージをアップリンクした際にダウンリンクが完了しています。

    WSB001070.PNG

以上で The Things Network V2 から The Things Stack V3 へのABP認証のエンドデバイスとアプリケーションの移行が完了しました。


*1 TTN V3とも呼称されているようですが、ここではTTS V3とします
*2 LoRaWANバージョンはES920LRを電源投入後、「1」を入力しターミナルモードで起動したときに表示されます

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